被扶養者となる人

被扶養者とは

健康保険では、被保険者だけでなく、その被保険者の収入によって生活している家族は『被扶養者』として、健康保険の給付を受けることができます。ただし、被扶養者として認定されるためには、法律等で決まっている一定の基準を満たすことが必要です。健康保険の扶養家族は、会社の扶養手当や税法上の扶養家族とは基準が異なります。

被扶養者の認定基準

被扶養者として認定を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。

  1. その家族は被保険者の三親等以内の親族であること(後期高齢者は除く)
  2. 被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること
  3. 被保険者がその家族の生活費を主として負担していること
  4. 被保険者には継続的にその家族を養う経済的な扶養能力があること
  5. その家族の収入が認定基準を満たしていること ※『被扶養者の収入』参照
  6. 国内に住所を有する(住民基本台帳に住民登録されている)こと(令和2年4月1日以降)

1.被扶養者の範囲(三親等内の親族)

被扶養者の範囲(三親等内の親族)

被扶養者の範囲

被扶養者の範囲は法律で決められていて、被保険者と同一の世帯(同居して家計を共にしていること)でなくてもよい人と、同一の世帯でなければいけない人がいます。

被扶養者の年齢

18歳以上60歳未満の方は就労可能な年齢にあり、被保険者の経済的支援がなくても自立生活していける場合が多くあります。この為、被扶養者になるには就労できない事の証明や、被保険者が生活費のほとんどを援助しなくてはならない状況を申告する必要があります。

被扶養者の収入

1.収入の範囲

  1. ①給与収入(通勤交通費等の非課税収入および賞与を含む)
  2. ②各種年金収入(厚生年金、国民年金、共済年金、企業年金、各種の恩給、遺族年金、障害年金、私的年金等)
  3. ③事業収入(農業、漁業、林業、商業、その他)
  4. ④不動産収入(土地、家屋、駐車場等の家賃収入)
  5. ⑤利子収入
  6. ⑥配当収入(株式配当等)
  7. ⑦被保険者以外からの収入(生計費、養育費等)
  8. ⑧その他の継続性のある収入
  9. 注1 自営業の場合は「収入額-直接的必要経費」を年間収入とします。

    注2 退職金、遺族相続や贈与による収入、生命保険の満期一時金、宝くじ等の一時的な収入と認められるものは収入の範囲に含みません。

2.被扶養者の収入限度額

60歳未満・・・130万円未満(月額108,334円未満)
60歳以上・・・180万円未満(月額150,000円未満)
(※または、60歳未満の障害年金受給者)

《同居の場合》
認定対象者の収入額が上記の条件内であり、かつ被保険者の年収の2分の1未満であれば認定。
《別居の場合》
認定対象者の収入額が上記の条件内であり、被保険者からの仕送り額が認定対象者の収入より多い場合は認定。ただし継続的な仕送りを金融機関からの振込みで行っていることが条件。(扶養認定や検認の際は振込依頼書の写し等にて確認させていただきます。)
※単身赴任・長期出張による別居や子供の進学による別居等の場合は仕送り確認不要。

保険料

健康保険料は、被扶養者の人数によって変わるものではありません。
ただし、39歳以下(または65歳以上)の被保険者が40歳以上65歳未満の家族を被扶養者にした場合は、認定月より介護保険料を徴収します。

被扶養者資格の確認

健康保険法施行規則に従い、定期的に『被扶養者確認調査』を行います。再確認時には生計維持関係や被扶養者の収入等を調査します。

虚偽の申請による罰則

被保険者が扶養の実態がない家族を、虚偽の申請により認定を受けたことが判明した場合は被扶養者の資格は遡って取り消され、当該期間にわたって発生した医療費・給付金を遡及し返還しなくてはなりません。

日本国内に住所を有することの要件

日本国内に住所を有するとは、住民基本台帳に住民登録されていることが必要です。
なお、次の①~⑤(日本国内に生活の基礎があると認められるもの)に該当する場合は例外として、被扶養者の要件を満たすものとなります。

① 外国において留学をする学生
② 外国に赴任する被保険者に同行する者
③ 観光、保養またはボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者であって、②と同等と認められるもの
⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

被扶養者の認定の手続き

被扶養者の認定には、次のような手続が必要となります。
被保険者の資格を取得したときに被扶養者のいる方は、「被保険者資格取得届」「被扶養者異動届」を添付のうえ、事業主を経由して5日以内に当健康保険組合に提出してください。被扶養者に異動があったとき、たとえば、結婚・出産・養子縁組等により被扶養者を有するようになったとき、また、就職・死亡等により生計維持関係がなくなり被扶養者でなくなったときは、その事由の発生からすみやかに「被扶養者異動届」を、事業主を経由して当健康保険組合提出してください。
特に3月から4月にかけて異動が多い時期です。届出漏れがないようご注意ください。

※被扶養者異動届のほかに収入や生計を証明する書類が必要な場合があります。